現実は小説よりきなり
「女の子同士の勉強会だし、私なら問題ないわよね」
霞の有無を言わさない指摘に、
「あ、うん、だよねぇ」
と頷いた私はさりげなく美樹に視線を向けた。
「...霞ならオッケーだし」
ちょっとヒビりながらウンウンと首を縦に振った美樹。
霞が来たら驚くだろうなぁ、眞由美と可奈。
二人に心の中で謝ったのだった。
それからは何だかんだと和気藹々した。
皆、凄く話しやすくて敬遠してた自分が少しだけ恥ずかしくなった。
聖子さんと琉希也君だけは、私達の会話に入らずに二人の時間を過ごしてたけどね。
と、言っても目を瞑って眠る琉希也君に、聖子さんがベッタリと寄り添ってただけなんだけど。
二人は付き合ってるのかな?
「ってか、お昼食べようよ。お腹減ったぁ」
クゥッと鳴ったお腹を押さえてそう言った美樹。
「うん、そうしよう」
私もお腹減ったし。
皆、思い思いの食べ物を取り出して食事を取っていく。
私も手に持ってたお弁当を袋から出して、膝に乗せた。
「嵐ちゃんて、手作り弁当?」
瞳をキラキラ輝かせてお弁当箱を覗き込んできた日向君。
「あ、うん。出来るだけ作ってる」
朝夕は寮母さんの料理だし、御昼ぐらいは自分でね。
「すっげぇ。美味しそうだね、その卵焼き」
確実に狙ってるよね?
「良いよ」
とお弁当を差し出したら、
「やった!サンキュー、うわっ、うまっ」
と嬉しそうに卵焼きを一切れ摘まんで口に放り込んだ。
す、素早いね。
「日向、狡いし。嵐ちゃん私も」
日向君を睨んでから訴えかける視線を向けてきた美樹にも、良いよと言えばベーコンの肉巻きが一つなくなった。
「美味しい。嵐ちゃん料理上手」
モグモグしながら絶賛してくれる美樹に満更でもない気分になる。
ほら、誉められるのって嬉しいし。
「俺も食いてぇ」
と遊佐君。
「あら、なら私も」
と霞まで言い出す。
「いやいや、流石に私のが無くなるのでまたの機会にお願いします」
と丁重に断りを入れておいた。
小さなお弁当なんだから、皆で食べられちゃ堪らない。