現実は小説よりきなり







「あら、残念。またの機会ね」

フフフと綺麗に微笑む霞。

彼女ってギャルメイクなんてしなくても凄く綺麗じゃないのかな?なんて思った。



「ちぇ~っ、仕方ねぇな。じゃ、今度の予約な」

少し拗ねたように唇を尖らせた後、ニパッと笑って親指を立てた遊佐君。



「うん、分かった」

一先ず頷いておく。



ガタン、テーブルが音を立てた。


何事か?と音の先へと視線が集まる。


そこには不機嫌な顔をして立ち上がった琉希也君がいて。

寄り添ってた筈の聖子さんはソファーに突然取り残されて驚きに目を見開いてた。



どうしたんだろう?なんて思ってると、

「食堂に行ってくる」

低い声でそう言うとズカズカとドアに向かって歩いていった。


彼の座ってた辺りのテーブルの上には昼食らしい物が置かれてるんだけど...食堂に行くようだ。



「えっ!琉希也、待ってよ」

我に返ったらしい聖子さんが立ち上がって慌てて彼を追い掛けていく。


もちろん、琉希也君は待つそぶりもせずにドアを押し開けて出ていこうとしていて。


駆け足で追い付いた聖子さんは一度だけこちらを振り返り私に鋭い視線を向けた後、ドアの向こうに消えていく彼を追って部屋から出ていった。


背中がゾクッとした。

なんだろう、この嫌な感じ。


へんな違和感が私の中で渦巻く。

二人が出ていったドアを見て首を傾げた。



「嵐、気にしなくて良いわ」

そう言ってくれたのは霞。


「えっ?」

ドアから霞へと視線を向ける。


「琉希也が子供なだけよ。ま、聖子には気を付けた方がいいかも知れないけど。あの子は何を考えてるか分からないから」

そう言った霞は、聖子さんへの嫌悪を隠すでも無かった。


「あ、それは言えてる。あいつって、琉希也の事になると可笑しいから」

ウンウンと首を縦に振った遊佐君。


「あの子って好きじゃない」

可愛い顔で毒を吐いたのは日向君。


「聖子にはなにもさせないし。嵐ちゃんは守るからね」

私の肩をガシッと掴んだ美樹の瞳は意志が隠ってた。


なんだろう、凄い違和感。


この違和感て...何?



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