現実は小説よりきなり
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「お前、気を付けろよ」
俺は隣の美樹に声を掛ける。
茶髪で髪を縦巻きしてる派手なギャルの井上美樹は、シュンと眉を下げる。
「うん。もう階段で暴れない。あの子に悪い事しちゃったな」
見た目ギャルの美樹だけど、自分の非を認めて反省してる様だ。
俺は去っていく三人の姿をぼんやりと見つめてた。
咄嗟に助けたあの女。
華奢な体つきで、ふんわりと花の様な良い香りがした。
最後まで俺と目を合わせなかったのが、自棄に気にかかった。
至近距離で見たあの女は、かなり綺麗な顔立ちだった。
業と隠してるのかどうか知らねぇけど、少し手を加えりゃ上玉に変わるだろうと思えた。
長い睫毛に極めの細やかな肌がそれを物語ってる。
それに、プロポーションも悪くなかったしな。
助けるために抱き抱えた腰はかなり細くて、その上のバストは見た目以上の大きさを触れてる俺の腕に告げてた。
「あの子って、一組の木下嵐だろ?」
と言ったのは、守口遊佐(モリグチユサ)。
黒髪で前髪に青メッシュを入れてる猫目の男。
「あ~知ってるぅ。凄く格好いい名前だから見に行ったら女の子だったのよねぇ」
紅い口紅のついた唇を尖らせたのは篠原聖子(シノハラセイコ)。
金髪に近い茶髪で、ぶりっ子の様に媚びてくる女。
俺はいつもあからさまに男を誘うこの女が苦手だ。
ま、性欲処理に使うにはちょうどいいけどな。
男にとって下半身と頭は別もんだからな。
後腐れなくヤれるこいつを数回利用した。
「木下嵐?」
と聞き返した俺に、
「そう、あらしって書いてらんて読むんだってぇ」
格好いいよね、と聖子。
「お、格好いい名前。嵐でらんか。漢字の見た目だけなら男だね」
そう言って長い前髪をかき揚げたのは、戸波日向(トナミヒナタ)。
アッシュブラウンの長めの髪、童顔で可愛いと女からペットのように可愛がられてる。
「あの子、あんまり目立たないようにしてるけど、綺麗よね」
黒髪に派手なギャルメイクの一条霞(イチジョウカスミ)がゆるりと口角を上げた。
一条グループの一人娘だけあって、洞察力に優れてる。