【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん
渡辺さんが私の姿を見ると
「においはダメでしょうね」
「はい」
「トマトゼリー召し上がってみますか」
マスクをしていても目がカーブを描くからすぐに冷蔵庫からもってきてくれて
おひとりで淋しいでしょうがお部屋での食事がよろしいでしょう。
おそらく味噌汁のにおいもダメだろうから隼は食堂で食べるように言われた。
隼は味噌汁はいらないって子どもみたいな事を言ったけれど
それでは私が逆に気を使うと言って食堂で食べるよう説得してくれた。
トマトゼリーを持って部屋へ戻り
マスクを外してすぐに食べようと思うと
隼がジーッと見てるから
「そんなに見られたら食べにくいってば」
「気にするな」
空腹感もあるからトマトゼリーを口にすると何て美味しいんだ。
「美味しい」
「食えるか」
「うん」
隼もホッと安心の溜息をついた。
「ご飯食べてくれば?」
「結衣が食い終わったら行く」
私が慌ててゼリーを口へ運ぶと
「結衣、いつもよりずっと早起きしてんだ」
「あぁ」
だけどほんとにずっと見てるから困る。
私も口へ運びながら見つめ返すとそんなに見るなって言われた。
お互い様なのに。