【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん
「結衣、あんたは良く頑張ってるよ。帰る家がないなんて淋しい事言わないでよ結衣。隼と喧嘩したらここに来なさい。私が結衣をしっかり守ってあげるから」
「ママ」
「私にはわかるの。同じだったよ。実家があったってね極道の問題で泣いては帰れないのよ」
由香里さんは同じように志摩子さんに慰められた事を話してくれた。
響も隼も重い名前を背負ってるから家に帰り純粋無垢なわが子を見ると一心に触れていたくなるみたいだと。
男の子の隼であっても響さんはすぐに隼を抱き上げ、他のものが聞こえないぐらい夢中になったと教えてくれた。
「だけどこっちにしてみたら冗談じゃないよね?」
クスクスと笑いながら
「どんだけ苦労してると思ってるのって言いたいよね」
私が頷くと子どもの事、組の事、どうしたらいいかわからない事だらけだと私の背を摩ってくれた。
「わかってて手を差し伸べるが遅くてごめんね」
「ううん。ママ…そうじゃないの」
私の言葉にも静かに頷き、
「そうなんだよね。私が響じゃなきゃダメだったように結衣には隼じゃなきゃダメなんだよね。一番わかってほしい人なんだよね」
由香里さんの言葉でまたポロポロと涙が零れた。