【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん
菫を抱いた隼と一緒に玄関へ向かっていると廊下で植木さんと出会った。
「おや、ずいぶんと早かったですね」
「菫のパパを呼ぶ声だったんですね」
「へい。若は3日目まで平気だったようでしたけど」
「なぁ菫はいい子だよな」
「それって隼はダメって言ってるんだよ」
「いいよダメで。なぁ菫」
植木さんと顔を見合わせこの親ばかぶりにやれやれと思う。
相当な束で後ろ髪を引かれながら車に乗ると
「結衣、菫、いってくるな」
「はい。気を付けていってらっしゃい」
隼の車を見送りながらほんと小さなすれ違いだったと思った。
隼の気持ちも私の気持ちも菫を思う親心だ。
若頭の妻である事に慣れたい私と染まって欲しくない隼。
必要だと思うことでも教える事を戸惑う隼と
もっと知りたいと思う私。
菫がいなければ違ったと思う。
守るべきものが増えたから少しばかり今までと状況が異なる。
お互いの為だけに生きるという事がわが子を守り共に生きるに形を変えた。
「それでも私は若頭の姐さんに変わりはないのにねぇ」
意味も理解できな菫に話しかけ玄関を入り
「みー」とすぐに三浦さんを見つけた菫を
「お願いします」と預けてかわらない日常が始まった。