【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん
そして部屋へ戻ろうとしている私に植木さんが
「若は結衣さんのいう言葉を一言だって聞き漏らしちゃいやせんよ。
答えてやりたいのに答えたくなくて余計に菫ちゃんに話かけているじゃありやせんか。
思い出してもみなせぇ。若は無口な男だったんじゃありやせんかい?」
植木さんにそう言われるまで、隼が無口で単語で済ませる事が多かったことを忘れていた。
表現が不器用だからわからないって植木さんに言ったことを思い出した。
私がクスッと笑った顔に安心したのか
「結衣さんの気持ちを尊重してやる言葉が見つからねぇんでごぜぇやすよ。
ピタっとはまらねぇと飛んだやんちゃをなさるしね。
教えてやりてぇやらせてやりてぇ。だけど知ってほしくねぇやってほしくねぇって葛藤してたと思いやすよ。
ちょっと話したら答えてやりたくなって仕方ないんでごぜぇやすから」
「やんちゃなんてしませんから」
「それを願っておりやすよ」
「植木さんったら」
「結衣さんがやんちゃしたら菫ちゃんも危険に晒される。二人とも命に代えても守りたいものじゃごぜぇやせんか。
それでも若の身体はひとつしかねぇんですよ。どっちを守るかなんて選べねぇ酷な思いをさせないでやっておくんなせぇよ」
はいって返事をしたのは当然のこと。
私だって隼と菫を選べない。