【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん



食事が終わりまた車へ乗ると呉服屋さんへと到着した。



たくさんの反物を見ながら由香里さんに合わせる。


響さんのその眼差しはとても優しくて


思わず隼と顔を見合わせる。



「結衣も選べよ」


「私はいらない」


即答に隼は吹き出した。


浴衣のように簡単に着ることが出来ない上に着る機会もそうない。


今まで揃えていただいた着物も袖を通していないものもいくつもある。



由香里さんが着る姿を想像している方がずっと楽しい。



1枚の紫がかった淡いグレーの反物を響さんが由香里さんに合わせた。



それは、とても綺麗で由香里さんの表情もほころんだ。


呉服屋さんがその反物を広げ


裾の方は枯野色だと説明をしている。


枯野色という言葉は初めて聞いたけれどその色を見れば納得する。


その枯野色の上にはピンクグレイの色が重ねられ一面に描かれているのは萩の花だと教えてくれた。


すすきも描かれていて秋を思わせるステキな反物だ。


「ママ…絶対に似合う。すごくステキ」


「あぁ。いいんじゃねぇか?」


隼からも珍しく言葉がかけられた。


「俺が選んだんだから当たり前だろう」


そんな言葉が飛び出す響さんだけどもっともだ。


由香里さんという人を知り尽くしているから似合うものがわかる。


誰もが納得するほどだ。


だから呉服屋さんの


「お似合いになられると思いますよ」なんて言葉は


誰もあまり気にもとめなかったような気がする。







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