【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん
「あ…」
私はそのシリーズの2冊を手にした。
1冊ではすぐに読み終わってしまう事を考え2冊選んだ。
それから挨拶回りへ行く先のガイドブックを探すことにした。
ガイドブックなんてまったく不必要だけれどこれも雰囲気だ。
スマホで事足りるとしてもやっぱり欲しい。
東北編と九州編を手にした。
関西を選ばなかったのは
行きたい場所を告げる隙すら与えられない事が想像できて
それでもそれは行きたい場所から外れる事はないと思えるからだ。
観光なんてする時間がなかったとしてもこれも記念だ。
私が本を手にして歩きだせば
すぐに植木さんも三浦さんも私のところへ来るから
ゆっくり本を見ていたわけではないようだ。
こういう瞬間は申し訳ないと思う。
「私だけゆっくり選んですみません」
「あっしらはいつでも来られんですよ」
もう一度頭を下げるとその本を三浦さんが受け取り
単行本を見て小さく笑った。