異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
オレはリズの隣に腰掛けて、頭を軽くポンポンと叩く。途端にリズは過剰なほどにビクリと身を震わせてオレから遠ざかった。
「お願い。触らないで」
「え、ごめん」
恋人におびえられてしまうとは。
慌てて手を退いたものの、少なからずショックを受けている自分に気付く。
なにがっついてんだ、オレ。中身まで十八歳の少年になっちまったのか。リズの気持ちを無視して先に進もうとするなんて。
いや、厳密には気持ちを汲んでシステムが起動したわけだけど、リズは恋愛初心者なんだから配慮が必要だったのだ。オレはシステムに従うだけのただのロボットじゃないんだから。
しばし沈黙が続く。なんか気まずい。
せっかくふたりきりなんだから、いちゃいちゃしなくても、もっと楽しく過ごしたい。
それはリズも同じだったようで、幾分落ち着いたのかひとつ息をついて口を開いた。
「ごめんね、シーナ。私が自分でロックを解除したのに、あなたの体がそれに反応しただけなのに」
「いや、先に無理矢理キスしたのはオレだし。もう不用意に触らないから」
「違うの。あなたに触られるのがイヤなわけじゃないの」
「え?」
リズはまた真っ赤になってうつむく。そして絞り出すようにポツポツと白状し始めた。
「私、欲張りなの。あなたが私を好きだって言ってくれてから、独り占めしたくてしょうがないの。私が提供したけどあなたの体は警察局のものなのに」
そういえばオレってリズの私物じゃなかった。
「ずっとそばにいたいのに、そばにいるとドキドキして、あなたに触られるとわけがわからないくらいに気持ちが舞い上がっちゃうの」
そういう感情はだいたい気付いてたけど、なにが恥ずかしいんだろう。
「それだけでもあなたに知られてるのは恥ずかしいのに、ロックが解除されたらあんなことまで……」
そこで言葉を飲み込んで、リズは一層うつむく。