28才の初恋
「ごめんね……調子の乗っちゃって……」

 腰を支えられながら、そうして大樹クンに謝るのが精一杯だ。
 明日も仕事があるのに……こうして飲ませ過ぎるなんて。上司としても彼女としても失格だ。

 いや、『彼女』ではないけど。
 彼を慕う一人の女として……やってはいけない行動という点では同じだ。

 ……このお詫びは永遠に大樹クンのお世話をさせて頂くということでっ!!
 そして、名実ともに彼女ということにして頂きたいっっ!!

 ……と、また自分に都合の良い考えになってしまう。
 
――こんな私なんて、消えてしまえば良いのに。
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