君と星空の彼方
中1始めにして1人暮らし。


そんなあり得ない状況に陥りそうだった俺を、年に数回しか会ってくれない彼女は、中1の後半から家政婦さんをつけてくれた。


…全てのお金を彼女が支払っていた。



なぜ助けたか、聞いたことがあった。




彼女は笑ってごまかして、答えてくれなかったけれど


別にいいや、と思った。



そして中3の時、俺は宙橋学園に彼女の勝手な手続きで合格。



最初はその学園にいる意味が分からなかった。


けど高1ともなれば、俺の家は『幻獣使い』の一族だと言ってはいけないことぐらい、百も承知していた。


そしてなぜか、『星空使い』の能力を覚醒したんだ。


高1の真冬の夜、急に会いに来た彼女はとても喜んでいた。



そこで俺は、耐えきれず聞いてしまったんだ。




『なんで赤目を隠すのですか。

あなた程強い人が』


彼女は…ずっと、赤目…そう、幻獣の一族であることを隠していた。


なんでだろう、ずっとそう思っていた。






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