鬼上司と私のヒミツの関係

「河野部長、ちょっとよろしいですか?会議に提出する書類の件で文章を変更した方がいいと思う箇所があったんですけど」

「あぁ、どれ?」

「ここの部分なんですけど、現状のままだと回りくどいような気がして」


部長が書類を受け取り、女性が身体を屈め二人の距離が近付く。

それを見た瞬間、胸の奥がザワついた。


その女性はいつも背筋をピンと伸ばし、格好よくパンツスーツを着こなしている。
立ち居振る舞いから自信に満ち溢れたオーラを放っている。

ショートカットの髪に真っ赤な口紅、両耳にキラリと小ぶりなピアスが光る。


仕事のデキる女、板倉裕子主任だ。

河野部長の片腕としてバリバリ仕事をこなしていて、噂では二人は付き合ってるとかいないとか。

確かに美男美女で並んでいても絵になる二人だ。


これ以上見ていると惨めになる。

小さくため息をつき、机の引き出しを開けた。

そこからピンクの花柄のお守り袋をキュッと握り目を閉じて心の中で呟く。


「……………………、」


よし、頑張って仕事の続きをしよう。

頭を切り替え、お守り袋をそっと引き出しの中にしまった。

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