鬼上司と私のヒミツの関係

「滝本っ、書類はまだか。いつまで待たせるんだ」

河野部長の怒号が飛ぶ。


「はいっ、すみません。あと五分待ってください。もう出来ますから」


滝本さんはガタッと立ち上がり部長に声を掛ける。


「立つ暇があるなら手と頭を動かせ。時間は待ってくれないぞ」


部長は容赦ない。
キッチリ時間内にやらないとすぐに声が掛かるんだ。

自分の仕事もあるのに部下の仕事内容も全て把握し的確に指示を出す。

よく周りを見てるよな、と感心する。
これはもうサイボーグ並だ。


「部長、出来ました。遅くなってすみませんでした」


滝本さんは急いで部長の元へ行き書類を渡す。
それをチェックし終わると、ゆっくりと顔をあげ立ち上がる。


「よし、完璧だ。ご苦労さん。要領よくやれば時間内に出来るんだから、まず何からやればいいのか優先順位を考えて仕事しろよ」


肩をポンと叩かれた滝本さんは安堵の表情を浮かべる。


部長お得意の、飴と鞭。
怒るけど、そのあとのフォローは忘れない。

これがあるから、また頑張ろうという気になるんだ。

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