鬼上司と私のヒミツの関係
「森本、ちゃんとやってるのか」
ひっ……急に私の名前を呼ぶから身体が跳ねる。
思いっきり油断してた。
「はいっ、やってます」
背筋を伸ばし、慌てて声を出す。
「余所見せずに真面目にしろよ。今度ミスしたらペナルティーだからな」
覚悟しろよ、なんて爆弾発言を落とす。
ペナルティー……それはいわゆる、地獄の残業コースだ。
それだけは免れたい。
キリリとねじり鉢巻きをしたような感じで気合いを入れ直す。
それからの私は部署のみんなが驚くぐらいのスピードかつ丁寧に仕事をこなした。
私だってやれば出来るんだから。
「森本さん今回はミスがないんでしょうね?」
板倉主任がそばまでやって来て私が纏めている書類を覗き込む。
「あ、はい。大丈夫だと思います。見直しをちゃんとしたのであとは部長にチェックしてもらうだけです」
書類をトントンと机で整える。