鬼上司と私のヒミツの関係
「森本さん、見直しするのは当然のことでしょ。あなた河野部長に迷惑を掛け過ぎ。しょうもないミスを連発して足を引っ張らないでよ。三年目になるんだからもう少し頑張って欲しいものだわ」
嫌味ったらしく言うと、踵を返しヒールの音を鳴らしながら歩き自分の席に座ると足を組んだ。
悔しくて唇を噛む。
迷惑……か。
そりゃ仕事のデキる女とデキない女、どっちがいいかなんて聞かなくても分かる。
明らかに前者の方だ。
板倉主任はデキる女で私はデキない女。
考えるだけでため息が出る。
「部長、チェックお願いします」
「あぁ」
書類を渡し、ドキドキしながら審判を待つ。
今回は見積書。
数字も漏れなく入力し、見直しもして完璧に出来たと思う。
部長は書類から顔を上げ私を見上げた。
「一発オッケーだ。やれば出来るじゃないか」
「ありがとうございます」
ついでに、心の中で『よし!』と呟く。
「ご褒美に、この書類のコピーを頼む。二十部ずつな」
そう言って資料を手渡してきた。
「分かりました」
それを受け取りつつ、全然ご褒美になってないんだけど、と再び心の中でひとりごちた。