鬼上司と私のヒミツの関係

午後からは月末の請求書の作成をしないといけない。


営業の担当者から渡された伝票を見ながら入力していく。

一通り終えると、まだ伝票を出していない人がいることに気付いた。


「木藤さん、もう伝票残ってませんよね?」

さり気なく確認しに行くと、木藤さんは動かしていた手を止めた。


「あ、ごめんね。もうすぐ終わるから」

そう言うと、再び伝票の仕上げに取り掛かる。

もう少しで終わるならここで待っていようかな。

木藤さんの隣の席の人が外出して空いている。
そこへ座り、何の気なしに木藤さんの手元を眺めていた。


「そんなに見つめられると緊張するなぁ」

チラリと私に視線を向けて微笑む。

木藤さんは私より五歳年上の営業マン。
物腰が柔らかく“癒しの木藤”と言われている。


「あ、ごめんなさい。気が散りますよね」

慌てて立ち上がろうとしたら。


「別に邪魔じゃないよ。もう出来るから座って待ってて」

ね!と人懐こい笑顔を向けられ、おとなしく座った。

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