鬼上司と私のヒミツの関係
「ねぇ森っち、知ってる?板倉主任て部長のこと狙ってるらしいよ。仕事にかこつけて食事に誘ってるみたいだし。ホラ見てよ。甲斐甲斐しく世話しちゃってさぁ」
藤原さんが耳打ちしてくる。
二人を視界に捉え、モヤモヤが募る。
「河野部長、これ美味しいですよ」
板倉さんは小皿を部長に手渡した。
あーあ、並んで座っているだけでお似合いに見えるってどういうことよ!
さっきまでお酒を飲むのを躊躇してたけど、もういいわ。
フンと鼻を鳴らし、目の前のジョッキを持つと黄金色の液体を喉に流し込んだ。
「おー、森っちいい飲みっぷりっ」
藤原さんがパチパチと手を叩く。
半分ぐらい中身の減ったジョッキをテーブルに置き、泡のついた唇を手の甲でグイと拭った。
こんなことで嫉妬してる自分がすごく醜く感じる。
でも仕方ないじゃん。
「沙耶さんそんなに飲んで大丈夫ですか?」
小野くんの心配そうな声。
「大丈夫、大丈夫!」
返事をしたのは私じゃない。
藤原さんだ。