鬼上司と私のヒミツの関係
響ちゃんはズルイ!
目を細めて甘い微笑みを向けてきて……。
怒りマックスだった私の気持ちを一瞬にして落ち着かせてしまうんだから。
そして私はとことん響ちゃんに弱い。
「ホントにホント?」
「あぁ、ホントにホントだ。何なら木藤に聞いてみてもいいぞ」
「大丈夫、響ちゃんのこと信じるから。浮気者なんて言ってごめんね」
そこまで堂々と言われたら、疑う余地はない。
それに響ちゃんは私に隠し事なんてしないもん。
私は大好きな人の身体に腕を回し抱きついた。
響ちゃんこと、河野響也は私の旦那サマ。
そう、あの“鬼部長”。
会社の人には内緒で結婚している。
しかも、一年ぐらい前に。
社内恋愛だから公表するのはなんとなく控えていたんだ。
その理由は、私が自分に自信がないから。
あの鬼部長が私みたいな仕事のデキない小娘と結婚したと公表したら、響ちゃんの威厳がなくなってしまうと私が勝手に思っていた。
だから結婚したことをヒミツにして、仕事を続けていた。