鬼上司と私のヒミツの関係

しばらく抱き合っていたら、不意に響ちゃんの手が私の左手を掴んで持ち上げる。


「沙耶、指輪は?」

「ちゃんとお守り袋に入れてるよ。まだバッグの中だけど」


仕事をしている時に指輪は出来ないから。


「沙耶、そろそろ俺たちが結婚してること公表してもいい?俺、もう限界なんだけど」


ギュッと力強く抱きしめてきた。

「き、響ちゃん?」

「沙耶は誰のもの?俺だけの沙耶だろ。他の男が馴れ馴れしく名前を呼んだり寄り付くのが嫌だ」


『嫌だ』って子供みたいなことを言う。
でも、私はそんな響ちゃんの言葉にキュンと胸がトキメク。

私ってホント、響ちゃんバカだよな。


「他の男って……。誰もそんな私に寄り付く人なんていないよ」

会社では私の評判はあまりよくないと思うし。
仕事でよくミスしたりおっちょこちょいだしね。


「小野……」

響ちゃんはボソリと呟く。


< 30 / 63 >

この作品をシェア

pagetop