鬼上司と私のヒミツの関係
しばらく抱き合っていたら、不意に響ちゃんの手が私の左手を掴んで持ち上げる。
「沙耶、指輪は?」
「ちゃんとお守り袋に入れてるよ。まだバッグの中だけど」
仕事をしている時に指輪は出来ないから。
「沙耶、そろそろ俺たちが結婚してること公表してもいい?俺、もう限界なんだけど」
ギュッと力強く抱きしめてきた。
「き、響ちゃん?」
「沙耶は誰のもの?俺だけの沙耶だろ。他の男が馴れ馴れしく名前を呼んだり寄り付くのが嫌だ」
『嫌だ』って子供みたいなことを言う。
でも、私はそんな響ちゃんの言葉にキュンと胸がトキメク。
私ってホント、響ちゃんバカだよな。
「他の男って……。誰もそんな私に寄り付く人なんていないよ」
会社では私の評判はあまりよくないと思うし。
仕事でよくミスしたりおっちょこちょいだしね。
「小野……」
響ちゃんはボソリと呟く。