鬼上司と私のヒミツの関係
フロアには森本しか残っていなかった。
さっきまでは二、三人ほど残っていたんだが。
一人パソコンに向かっている森本の後ろ姿を確認してゆっくりと近付くと突然、
「やったー!終わった」
両手をあげ勢いよく立ち上がった。
「うぉっ」
「えっ?」
急に森本が立ち上がるから、背後にいた俺の足にキャスター付きの椅子が直撃した。
いてぇな、つい舌打ちしそうになる。
「うわっ。ぶ、部長っ、すみません。気が付かなくて……だ、大丈夫ですか?」
慌てて椅子を元に戻し泣きそうな顔で俺を見る。
「いや、大丈夫だ。俺も声を掛けずにお前の後ろにいたから悪かったんだ。そんな顔すんなよ」
何を思ったのか、無意識に手を伸ばし森本の髪をクシャリと撫でていた。