鬼上司と私のヒミツの関係
「えっ、部長?」
驚きで大きな目を見開き、パチパチと瞬きをして俺を見上げた。
「悪い」
ハッとして手を引っ込めたが手のやり場に困り、そのまま髪の毛をかきあげた。
森本は真っ赤な顔をして俯き、俺も無意識の行動に驚きつつ自分の右手を見た。
柔らかい髪の毛だったな。
一瞬だがシャンプーの甘い香りがふわりと鼻をくすぐったのを思い出す。
って俺は何を考えているんだ。
邪な思考を追い払い、何事もなかったかのように話しかけた。
「請求書、終わったんだな。見せてみろ」
森本はプリントアウトした請求書を机の上でトントンと纏め、自信なさげに渡してきた。
「これで大丈夫だと思いますけど……」
「もっと自信持てよ。何度も見直ししたんだろ?」
請求書を受け取ると、左手に持っていた紅茶を差し出した。