鬼上司と私のヒミツの関係
「これ、飲むか?」
一瞬ポカンとした顔をしたあと、照れたように笑う姿に年甲斐もなくドキッとした。
へぇ、こんな風に笑うのか……。
森本のこんな表情、初めて見たな。
「ありがとうございます。ちょうど喉が渇いていたので嬉しいです」
ふわりと微笑み紅茶に手を伸ばしてきて、渡そうとした瞬間、お互いの手が触れた。
「あっ、すみません……」
森本がパッと手を引っ込め頬を真っ赤に染めた。
なんだよ、そんな顔をされたらこっちまでつられて照れてしまうだろ。
俺は小中学生のガキか、と突っ込みたくなった。
咳払いをしたあと、トン、と机の上に紅茶を置いた。
「請求書のチェックしてくるから終わるまで待っとけよ」
「はい、分かりました」
森本は素直に頷く。
それを見て何を思ったのか俺は
「終わったら晩飯食いに行かないか?」
食事に誘っていた。