鬼上司と私のヒミツの関係
「えっ?」
森本は俺の言葉に戸惑った表情をする。
それもそうだよな、と思いながらも誘ってしまった手前、引き下がることは出来なくて。
「何か予定があったか?」
不安になり探るように聞いてみるとブンブンと顔を左右に振る。
「予定は何もないですけど……」
「ならいいだろ、それとも俺と一緒じゃ嫌か?」
ちょっとズルい聞き方をしてしまった。
それでハッキリ嫌だとか言われたら結構傷付くけど。
まぁ、それはそれで受け止めよう。
「全然嫌じゃないです。寧ろ嬉しい……あっ、」
森本は慌てて口を手で塞ぐ。
そうか、嫌じゃないのかと安堵する。
でも嬉しいって……やべぇな、顔がニヤけてしまう。
ってなんだよ、俺。気持ち悪ぃな。
口許を請求書で隠しながら、ふと気付いた。
女子社員を自分から誘ったのは初めてかも、と。
森本の初々しい反応にさっきから調子が狂う。
頬を赤らめて嬉しいとか反則だろう。
「じゃあ、待ってろよ」
動揺を悟られまいと足早に自分のデスクに戻った。