鬼上司と私のヒミツの関係

いざ、聞くとなるとガラにもなく緊張してる自分がいた。


BGMも何もない静かな車内に、俺の心臓の音が森本に聞こえやしないかと。



この言葉を言って彼女の答えを聞いてしまったら、上司と部下の関係を変えてしまうのも覚悟の上だ。


新入社員の彼女にとって俺はただの上司。

しかも怒ってばかりじゃ印象も悪いだろう。

いつも怯えたように俺のことを見るし、よく思われてないのは百も承知。


俺だって最初は手のかかる部下としか思っていなかった。

何度怒られて涙を流しても、すぐに涙を拭い懸命に食らいついてくる。
その姿に好感が持てた。

大丈夫か?と気にかけているうちに、いつの間にか森本の存在が俺の中で大きくなっていた。


彼女の返答次第で俺の行動が決まってくる。


結果的に傷付く答えかも知れないが、もう止められない。



「森本は俺のこと、どう思う?」


俺の欲しい答えである事を願い口を開いたが、土壇場で怖じ気づき遠回しな問い掛けになってしまった。

< 52 / 63 >

この作品をシェア

pagetop