鬼上司と私のヒミツの関係

「ホントですか?やっぱり部長は怖いっすね。俺なんてあの冷たい目で見られただけでチビりそうになりますよ」


身体をブルブルと震わせておどけて見せる。

小野秀明。
色黒で短髪の体育会系を絵に描いたような人。

学生時代はアメフトをやっていたみたいで、ガッシリとした逞しい身体つき。

まだ着なれていないスーツ姿が初々しい。

それでも入社して三ヶ月足らずで会社の雰囲気にも慣れ、みんなから弄られ……もとい、愛されキャラを確立してる。

私なんて、慣れるまで半年以上はかかったような気がするんだけど。


「仕方ないよ。私があんなミスをしてたから注意されるのは当たり前だし」


それに部長は怖くないよ、と言う言葉は私の心の中にしまった。


さて、気を取り直して。


「コーヒー淹れるけど小野くんは?」

「あ、コーヒーはちょっと苦手なんで……。あの苦みがダメなんです」


肩を竦めながら言う姿が可愛らしいかも、なんて思ってしまったのはここだけの話。

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