生徒だけど寮母やります!⁑




「実は、今日からこの寮の寮母に復活するから!」


つかの間の静寂のうち、最初に声を上げたのは咲夜だった

「まじか!なんで急に?」


続いて結斗

「本当に?よかった......!」


ライと爽馬は、ただただ目を丸くした


「確かにさっき、今回の件で怒られてきたんだけどね。でもそれ以上に褒めてもらったの。それで、男子寮Bには、景が必要だって、親に言ってもらった」


はにかみながら言う景

本人も、安堵したことだろう


「本当に、ありがとね」

景は4人に向かってそう言った


「景ちゃんがお礼することじゃないよ。結局俺たち、何もできなかった。校長に掛け合うとか豪語しといて」


申し訳無さそうに言う結斗に、景は首を振った


「結斗、私が斎藤先生と言い合ってる時、女子寮に電話つないでくれたりしたでしょ?ママ、それを聞いて、私のこと見直してくれたみたい」


「よかった」


あの時を思い出しながら、柔らかい笑顔で頷く結斗


つられて咲夜、爽馬も笑った

また、平穏な景のいる日常が戻ってくる




しかし、その雰囲気を壊すようにライが口を開いた


「じゃあアイツは?解雇か」


アイツ、六組副担任の斎藤マナのことだろう

その言葉を待っていたかのように、マナがキッチンから出てきた


そして溜息をつきながら言った

「そうよね、解雇よね」


と。


実際、景の代わりに入ったのだ

景が戻った今、ただの教師に戻るのが普通だろう


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