生徒だけど寮母やります!⁑


しかし景は、首を振りながらマナに向き直った


「あの、斎藤先生」

マナは訝しげな表情で景を見る

「何?」

「今回、やっぱり私は寮母として働きたいと思ったし、その熱意も誰よりも強い自信を持ちました」


「......私も、貴女は本当に立派な寮母だと思ったわ」


何、素直な感想述べちゃってるのよ、私。

これはマナの本心だった


「ありがとうございます。だから、必ず騒ぐ女子たちは静めるし、今回の様に迷惑かけることもしません。

でも、やっぱり私はまだ子供なので、大人の力をお借りしたいんです。

どうか、一緒に寮母をやってもらえませんか!」


景の言葉に、4人は耳を疑った


「景、ちゃん......」

「景......」


でも誰よりも驚いたのは


マナだ


「信じられない......。自分で言うのもなんだけど、私寮母に向いてないわよ」


「知ってます」


景は、強い瞳で断言した


「先生は、教師の肩書にいつまでもすがってるし、生徒のために犠牲になれる点で欠如してはいるけど、いつも正しいことを言ってます」


「ふっ......えらそうに言うじゃない。でも、ありがとう」


その時マナは、花のような笑顔を景に向けた



斎藤先生となら、きっと上手く行くような

根拠のない自信



「で、咲夜、上手く話をそらしたね?人参はちゃんと食べてもらうんだからね!」

「鬼かよ!」


皆が笑いあえる

男子寮B



こうして新しいメンバーで


この寮は再スタートすることとなった



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