calling
ただ俊輔さんを見つめてるだけの
私の顔を観て、俊輔さんが笑った。

「明後日の金曜の夜
…亜妃ちゃんの先約が無いなら、
コーヒーでも奢ってあげるから。」

ぽんと私の頭を撫でてくれた。

なんだか夢の中に居るみたい。

でも、俊輔さんの話す一言一言が
カラダにじんわり沁みてきて…

それが私の細胞になって、動いて、
ずっとドキドキしていた。

「夜8時でもいい?」

「はい…。」

「じゃぁ明後日、ココに8時な。」

そっと私の頭から手が離れて
そのまま、俊輔さんは
先程の男性の後を追いかけて
静かに歩いていった。

その姿をなんとなく見送って…
思わず自分の唇を触った。

仕事が終わってから
丁寧に塗ったリップが
まだ潤っていてよかった、などと
ぼんやり思いながら。
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