calling
笑って言った。
そんな、作戦なんてない。
けど…どこかで期待もしていた。

手をぎゅっとされたから
余計にドキドキする。

「あの公園で出逢ったのも…
急に逢いに来てくれたのも…
サンドイッチのお弁当も今日のお昼も

…なんか全部…

…亜妃ちゃんに翻弄されてる。

好きになった。」

息遣いが…伝わってくる。
ドキドキ…していた。

俊輔さんが真剣な目で
私をじっとみて言ってくれたから
嘘みたいだった。

嘘みたいだったけれど
嘘じゃないのが分かる。
真剣な目で見つめられたから。

あごをすっと持ち上げられて
そのまま身を任せてしまう。

暗い照明のバーでよかった。
顔が赤いのがバレずに済む。

「私も…ずっと…好きでした。」
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