calling
013
俊輔さんの恋人のことを思った。

もう、あなたは…
俊輔さんのことじゃなく
他の…その…同期の男性と…

そうやって…俊輔さんを
傷つけて傷つけて…
あなたから離れないように
あなたから…離れたんですか?

だったとしても
私はこの恋を守りたい。

…離したくない…。

重なっていた唇が離れたとき
思わず泣きそうにもなった。

「今夜は…俺の気持ちを
伝えようと思ったから…

ありがとう。亜妃ちゃん。」

やっぱりまだ泣きそう。

どうか、俊輔さんの恋人が
引き戻しに来ませんように。

ずっと。

きっと素敵なその女性に
私はずっとかなわない気がする。

ずっと。
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