僕らのはなし。①
「先輩…大丈夫??」
レース場で伊崎が走ってるのをぼんやり見ている先輩の隣に座って、私は聞いてみた。
「聞いたの?」
「うん。
一つ聞いて良い?」
「何?」
「免許…一応持ってるんだよね?」
「うん。
俺達、皆4月生まれだから、誕生日来る頃に取った。」
「どうやって取ったの?」
「聖奈に習った。
死ぬかと思ったけど、格好つけたくて。」
「そうなんだ。
先輩、無理しないで?
私は退学でも良いし。
もともと自分が望んで入ったんじゃないから、先輩が辛い思いしてまで守ってもらう価値なんてないんだし。」
「そんな事言わないで。
俺は君にとても救われてきたんだ。
だから、守らせて。
出来るだけ頑張りたいんだ。」
「先輩…。」
それ以上の言葉は出てこなかった。
「それ…俺に?」
私が持っているお弁当箱に気づいた先輩が聞いてきた。
「あっ、うん。
食べる??」
「うん。」
「どうぞ。」
包みを開けてみると、本当に美味しそうなおかずばっかり入ってたので、2人で美味しく食べた。
先輩が美味しそうに食べてくれるとこっちまで笑顔になった。
キキーッ
2人で食事をしていると、大きなブレーキ音が聞こえ、見てみると伊崎の運転してた車が道に垂直になる感じで止まっていた。
コーナーを曲がりきれなかったみたい。
心配で立ち上がってしまったけど、アイツのところに行く事なんて出来なかった。