僕らのはなし。①
「ったく…さっきは吃驚したんだから。」
「ごめんね。
でも、私も吃驚した。
四宮さんがあんなに慌ててるの初めて見たから。」
「うん。」
暫くして、ホテルのカフェに移動して温かいココアを飲みながらそう話していた。
「前から思ってたんだけど、柚瑠と四宮さんって何かあるの??」
「どうして?」
「だって私の知らないうちに結構距離が縮んでる気がするから。」
「そうかな?
いつまで経っても遠い気しかしないけど。」
「柚瑠?」
少し遠くを見るような目で切なげにそう言った柚瑠は何だか知らない人みたいで、ついつい小さく名前を呼んだ。
「えっ、あ…私は湊の話の方が気になるけど?」
「…あれ?」
「どうしたの??」
「えっ?えぇっ??
何で?
何でないの??」
急にあるものがなくなってることに気づいて何度もポケットや首もとを触ってみるけどやっぱりない事に慌てる。
「湊、落ち着いて。」
「ないの…伊崎にもらったネックレス。」
「えっ、嘘でしょ?」
「私もそうだと思いたい。」
「とりあえず今日行ったとこ探してみよ。」
「うん。」
それから手分けして、色々探し回った。
部屋の中もヒックリ返してみたけど、見つからなかった。
「もう…何処??」
一度探して見つからなかったものの、他に何処にあるかなんて分からないから、もう一度探し回った。
「何してんだ?」
「えっ、あ…」
探すのに夢中で誰かが部屋に入ってきたことに全く気づかなくて、急に声が聞こえてみてみると…今一番会いづらい伊崎が後ろに立っていた。
「ちょっと探し物…。」
「何をなくしたんだ?
言ってみろよ。」
何故か私が何を探しているのかもう分かってるような聞き方に余計に気が重くなる。
だけど、どうして分かってるのかなんて今は重要じゃない。
素直に謝らなきゃと思った。
「ごめんなさい。
伊崎にもらったネックレス…気づいたらなくなってて。
ずっとつけてたのに。
でも、必ず」
「…良い。
もう何も聞きたくねぇ。
お前はいつもそうだ。
俺の真剣な気持ちを平気で踏みにじる。
もう知らねぇ。」
「伊崎?
待って!!」
「触んなっ!!」
もうちょっとちゃんと話を聞いてほしくて腕を掴んだけど、こっちも見もせずに腕を振り払われ、そのまま伊崎は出てってしまった。
涙が溢れそうになったけど、悪いのは私だから泣く資格なんかない。
また伊崎を傷つけた…。
必ず、見つけるから。
だから、もう一度ちゃんと話を聞いて。