僕らのはなし。①


全ての授業が終わると、今日はピアノのレッスンの日なのでレッスン室に向かった。

あれから花はずっと私を避けていた。
当たり前か。
私に話しかけたら、きっと花も伊崎達の標的にされる。


それは分かってても、やっぱりショックは受けていて、自分でもわかる程悲しいメロディーになってしまった。


「あれ?」
帰りに靴を履き替えるために靴箱を開けると…小さなクマの可愛いぬいぐるみが入っていた。

「何だろう??」
そう呟きながら、ぬいぐるみを持ち上げいろいろ触って確かめていると、カチッと音がした。

「…ごめんね、湊…。
こんな弱くて、最低な私を許して。」
録音出来るものらしく、花のその言葉が聴こえた。


「花…。」
かなり明日からの寂しい学園生活を想い、花と友達になる前に戻るだけだと言い聞かせながら帰路に着いた。


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