sEcrEt lovEr
しっかり者の悠耶とは幼なじみで大の親友だ。

だからお互いのことを何でも知っている、いや知っていると思い込んでいた…



ある晩、悠耶からうちに電話があった。

受話器越しに聞こえる悠耶の泣き声。

まただ… すぐ何があったかが分かった。

「悠耶、今どこなの?迎えに行くから今日はうちに泊まって」

布団の準備しといてと母に伝えると急いでうちを飛び出した。

人気のない真っ暗な公園に悠耶はいた。

「おりえ~っ!!もうあんな家、帰りたくない!」

彼女の家は両親の仲が悪く、喧嘩もしょっちゅう…

その度に泣きながら家を出る。

近くに寄り添ってあげたい、だけど痛みを全て理解してあげれない自分がもどかしい…

「…帰ろ?」

いつもなら、これで帰るのだが今日は違った。

「寄り道してもいいかな…」
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