sEcrEt lovEr
「あ、あの…」

謝って、もう家に帰ろう。警察を呼ばれたら大変だもの。

強引だけど、手を引いてでも出なきゃと横を見ると、悠耶の姿はない。

「あの友達がいなくなったので探しても…」

だが、聞いてくれるどころか帰りなさいの一点張り。

と、その時後ろから腕を掴まれた。

「君、高校生だよね?」

…まずい。

恐る恐る後ろを振り返ると あの時の“図書館の彼”が立っていた。

「未成年だし、こういう場所はいただけないな」

こんなことあるんだ。

運命みたい… いや、運命でしょ、これは!!

緊張のあまり何も言えずにいると

「家はどこなの?送るよ」

まさかの急展開に顔が次第に赤くなっていくのが自分でも分かった。

「か、帰れます。道も分かるし」

「さすがに夜道を女の子一人で帰らせるわけにいかないよ」

「でも、友達と来てて」

「…それらしき子は見当たらないね。先に帰ったんじゃないかな?」
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