学園ジュリエット
「ここ,私の家なのよ」
「そうなんですか.きれいな家ですね」
「ありがとぉ! 家族がどんどん出て行って,今一人暮らししててね.家が広くて寂しいから立て直そうか迷ってたのよ」
たしかに,一人暮らしするには広すぎる家かもしれない.
2階もあるようだし.
「2階で録音してもらうことになるの.放送室っぽくしてもらったのよ」
もちろん,学校からお金もらってね.と三木先生は笑った.
2階に上がると,たしかにリフォームしたようなきれいなドアがつけられていた.
「えーっと,それでなんだけど」
「?」
言いにくそうに三木先生がもじもじする.
「この中に,星空高校の生徒がいるんだけど,ここからは2人でがんばってほしいの.録音のやり方とかは,説明書置いてるしたぶんわかると思うから,じゃ,じゃあね」
「はい」
頷いて部屋に入る.
全体的に白くて,ほとんどが機材で埋まっている.
その様子に見とれていると,背後でドアが閉まった.
それに続いてがチャリという鍵の閉まる音.
「えっ!?」