エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
「ただいま~」

母、あやめの元気な声が玄関から響きわたり、葵と沃野をくるんだ桃色の空気を一瞬にして無色に変えた。

タイミングがいいのか悪いのか……。

慌てて2人は体を離す。

葵は胸の鼓動が体の外に漏れているのではないかと、胸を手のひらで押さえた。

「あら、2人とも早いわね」

母はそう言ってから沃野の胸元に抱かれているミーちゃんにまず目をやった。

「これ、公園で可愛がっていた地域猫なんだけど、いじめられて弱ってるんだ。うちで飼っちゃだめかな」

ふうん、と話を聞いて、母はすぐに「いいわよ」と返事した。

軽い、軽すぎる。お母さんのデス・フォビアはどこに消えたの?
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