俺は、危険な彼に恋をした。
何か……ちょ一でっかいお屋敷なんだけど。
庭がちょ一広すぎる。
「……っ!」
やべ、立ちくらみが……
急に立ったりしたから……
その場でしゃがみ込んでしまう俺。
「全く、世話がやくなお前は。」
「えっ!?」
いきなりがばっと璃空さんに抱き抱えられる俺。
吃驚して目が点になってしまう。
ハッと我に返り、俺は慌てて怒る。
「な、何するんだよ!下ろせ!」
「むりだ。」
「下ろせってば!」
「お前、熱が有る。」
「ちょ…何するだよ!」
抱き抱えたかと思いきや、額に手を翳す璃空さん。
「何って、熱が有るかどうか確かめただけだ。」
「そんなのはど一でもいいから俺を帰らせてくれよ!」
「それは聞けんお願いだな。」
璃空さんは、そのまま布団へと俺をまた寝かせつける。
「ふざけんな…俺は……」
駄目だ、くらくらする。
「熱、有るのに無理をするから上がるんだ。良いから大人しく寝ていろ。」
「……っ。」
熱のせいだと思う。
身体が沸騰してるように熱く。
頭も、朦朧としていた。
気が遠くなる。
駄目だ……
限界。
そう思った時には、俺は眠りついていた。
寝息をたて、傍に居た璃空さんは寝てしまった俺を確認するとその場を一旦離れ、居間を出た。
「璃空。」
「ん?何だ、椎名か。」
「本気なのか。」
「何がだ?」
「日向 洸の事だよ。まさかとは思うがお前……」
「俺は、本気だ。約束を果たさないつもりは無い……。」
「璃空。」
居間の前で、そんな会話をしていた事など寝ていた俺は当然知る由もなく。
深い眠りについて居た俺。