俺は、危険な彼に恋をした。
「……んっ。」
ふと目を覚ますと、天井が目に入った。
辺りを見回すと誰の姿も無かった。
「頭…痛い。」
じんじんと痛む頭を手でかかえながらもダルイ身体をおこす。
「はぁ一。」
俺は、深い溜め息を1つ吐く。
どうして俺、こんな所に居るんだろ。
俺は、アイツの事全然しらないけど。
アイツは俺の事全然しらないって感じじゃなかった……。
約束とか言ってたっけ?
約束って何だ?
約束と、俺に何か関係でもあるのか?
「……………。」
いずれにしても、こんな所に居たら駄目な気がする。
早く帰ろ……そうしたほうがいい。
そう思った時だ、ちょうど襖が開き璃空さんが俺の所へとやって来た。
「具合は、どうだ?」
「あっ…う、うん…もう平気。」
「まる1日寝ていたから心配はしていたが。」
「俺、そんなに寝てたの?」
「ああ。」
俺、結局この家に2日間も居る訳か。
学校には、連絡入れて無いから無断欠席扱いされてるかも。
「あの、俺もう大丈夫だから家に帰してくれないか?学校とな、有るし。」
「それは、出来ない。」
「な、何で?」
「お前は、俺の傍に居ればいい。」
「どうして!」
「約束……だからだ。」
「や…約束ってなんだよ!?」
「言えない。」
「は?何で?言えないような約束なのか?俺は、そんな約束もお前もしらない。居ろってのが無理な話だ!」
「じゃあ、お前は話せば居るのかここに。」
「そ…それ…は。」
言葉が詰まった。
「話したから何だって言うんだ、話せば居るわけでもないんだ。」
「そ…それでも…しらないよりはましだろ。わからないで居る何て俺は、無理だ。」
「……では、話す。」
「え!?」
「お前が、それを望むなら全てを話そう。」
「………あっ。」
俺は、黙り込んで俯いた。
貼り詰められた空間に、圧倒されたからだ。
璃空さんの、鋭く見詰める視線に俺は目を逸らしてしまった。
話すと言った璃空さんからの表情はまるで、何か意思を感じるものだった。
「その前に……俺は、璃空、鈴音 璃空だ。良く覚えとけよ、洸。」
「えっ……」
「会った時に一度名前は言ってあるはずが、一向に俺の名前をよばないから念の為だ。」
「わっ……わかったよ…璃空さん。」
「分かれば良いんだ。」
「…………。」
チラッと璃空さんを見る。
表情に無駄が無いって、初めて会って時から思って居た。
冷たく深い視線、真っ直ぐで揺らぎの無い瞳。
表情も、全然変わらない冷めきった表情をしている。
まるで、感情何て無いみたいに……。