俺は、危険な彼に恋をした。
展開が見えない……いきなり過ぎて。
どんどん、気が動転しはじめる俺。
「ちょ…何すっ…」
「見付けた…やっとお前を。」
「えっ…何?てゆ一かそれよりも離してほしいんだけど!」
訳がわからない言葉を次から次へと言ってきては、突然抱きしめてきた彼。
俺は、彼の腕から必死に逃れようとする。
「俺は、お前の事何て全然しらないし見覚えも無い!人違いでしょ!だから離してくれ!」
「随分と、生意気な口の聞き方をするんだなお前は。」
ゾッと鳥肌がたつ鋭く冷たい視線に思わず言葉が出なくなる。
「……っ。」
こ…怖い。
向けられる視線だけじゃない……向かい合うだけで足が竦む程の彼の圧倒的な圧迫感にやられる。
何なんだよ、コイツ。
「俺は、五代目若頭、鈴音組組長の鈴音 璃空。ココに来たのは、日向 洸……お前を迎えに来たからだ。大人しく来てもらうぞ。」
は、い?
「……えっ…いやいやあの…いま何て言いった?若頭?組長?え?」
「つまり俺は、極道だ。」
うええええ一っ!
えっ………!?
極道って……冗談が過ぎます。
有り得ないから……
何が、有り得ないかって?
決まってんじゃん、何で極道のお偉いさんが俺を迎えに来るんだよ。
そもそも、極道との繋がり何か一切全く無いんけど。
「嫌だ。」
俺は、きっぱりと断る。
「嫌でも来てもらう、約束だからな。」
「は?約束?そんなんしらね一し!俺は行く気無いから!離してくれ!」
「駄目だ、お前は俺と一緒に来てもらうぞ。」
ぐっと腕を掴まれる。
「いっ…ちょ……無理矢理連れてく気かよ!?嫌だって言ってるじゃん!」
俺は、掴まれた手を振り払う。
「少しうるさい…黙れ。」
「なっ……」
「耳障り何だよさっきから、少し黙れと言ってるのが聞こえないのか?」
「なっ…んだよそれ!知らない奴の言う事何て誰が聞くかよ!」
「お前にとっては、俺は無関係な存在かもしれないが、俺にとっつては、お前は関係有る存在何だよ。だから、来てもらわなきゃ困る。」