異種キャラクターバトル
女の力はわからない。女の正体もわからない。でも、剣が炎を出すことくらい、わかる。

炎は力。女の力。

それは、そこにあるもの。

生きて、そこに。

片目が蒸発し、下顎の骨が露出したが、私は叫ぶ。

「わタしはイギるぁぁあああぁぁぁぁあ!!」

自分の生が危ういなら、私は、お前の生を奪う……!

「な、なんて、こっ……くぅっ!」

自分の生を守りたいから、私は、お前の生を奪う……!

私は、生きる!

腕が完璧に焼失しきるより早く、女の生命力が剣を媒介にして私へ流れ込む。

骨が瞬時に構成され、それを神経と筋繊維が覆い、しかし皮膚が浮かび上がるより早く青い炎が再び私の原型を崩す。

目玉が浮かび上がり、崩れかけた頭蓋骨が急速に球状を取り戻す。髪が生える。しかし、そのはたから次に次に焼かれては、また皮膚がただれ、ずり落ち、むき出しになった骨がボロボロ炭化していく。

だから、まだ、もっと、さらに、女の生を手繰り寄せる。

崩されたはしから、私は再生する。
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