恋愛の神様
また頭の中でピーの声がした。
『一緒にいてくれるのが当たり前の相手ではなく、アナタ自身が一緒にいて欲しいと思う相手が誰なのか。』
そりゃ、タツキがいてくれた方が何かと便利だし、助かるし、安心出来るよ。
でもタツキはピーじゃないものね。
ずっと一緒にはいてくれないって分かってるんだから。
『アナタは最初から『どうせいつかいなくなる』と思って、誰の事も諦めちゃってるだけです。』
……コレが諦めてるってことなのかな…ピー。
僕はタツキを諦めてる?
そりゃ、タツキがずっと一緒にいてくれれば嬉しい、…けど。
『諦めないで下さい!アナタが本気で願えば必ず叶います!』
ピーの叱咤にパチンと目が覚めた気がした。
机に置き去りのマウスを取って、投稿映像を消した。
「何するの。」
むっとしたようにタツキが振り返る。
「こんな事しなくていいんだよ。」
僕の為にタツキが意地悪になんなくてもいいんだよ。
そうやっていつもいつもタツキは僕の為に頑張ってくれるんだよね。
「…もう、ピーはいいよ」
「………何言ってんのよ、アンタ……」
タツキが怪訝そうに柳眉を寄せる。