恋愛の神様
ワタクシを見つけたハクトさんは当たり前みたいにソファーに座ってワタクシを膝に乗せました。
そうしてワタクシを抱き潰しておきながら
「お疲れ様」
「んー」
ワタクシの頭上でタツキさんと極当たり前みたいにチュッとキスをしました。
って、えええ!!
「いつの間にそんな仲に!?」
驚くワタクシに二人は「は?何を今更」みたいに小首を傾げます。
そう言えば……ココを逃げ出した後、覚悟していたにも関わらず身を破滅に追いやるような攻撃は起こりませんでした。
ひょっとして、ピーさんを諦め求めあう同士上手く纏まったからだったのではないでしょうか。
それはともかくこの二人、以前は歯痒いぐらいにチンタラしていたくせにくっついた途端、ラブラブです。
「…てか、ラブラブするならお二人でしたらいいじゃないですか。タツキさん、平気なんですか!?」
「あら、私こんな事で妬く程狭量な女じゃないわよ。」
「そーだよ…タツキはあれからずっとピーを一人占めしてたんだから、今度は僕の番でいいよね?」
「いえ、…ハクトさん。妬く方向が間違ってます…」
どこにペットを取られて嫉妬する女がいますか。
感覚のズレに溜息を吐いていたワタクシは、不図ある事を思い出し徐にハクトさんに向き直りました。