恋愛の神様
「ち、違います!…絶対、とは言いませんけども、あれはそのっ…」
「そーかそーか。俺が居ない時にいつもあんな事を…。それで満足して俺は用無しって訳か。」
「だから違いますってば!!寂しさのあまりあんな事を…当然初めてですとも!だけどしてみたもののイけないばかりか、虚しさが募るばかりで……。零於さんじゃなきゃワタクシは……」
ぐしゃりと歪んで無意識に俯きかけた顔は、おおよそ強引な力に持ち上げられました。
そして与えられたのは息も覚束ないような深い口付け。
「……俺も……チィちゃんが相手してくれなきゃもうする気にもなんねーや。」
その声にワタクシが弱いを知ってか知らずか、甘く掠れた声でそんなセリフを囁くものですから、単純なワタクシの身体はいとも容易く熱くなってしまうのです。
その反応を見過たず、肌の上を滑っていた掌が明確な意図の元に動き始めます。
それに期待して身体の奥から言い得ない甘い痺れが湧いてきます。
嗚呼――――でも……
意志薄弱な自分は棚上げしてココは言うべきを言っておくべきでしょう。
「あ、ワタクシが頑なだったのは赤ちゃんの件もそうですけど、何より、ワタクシの体力的に付いて行けないのが大きな要因ですからねっ?」
「う゛……やっぱり一番はそこか。」
呻いた零於さんは開き直ったように口を尖らせてみせました。
「つったって、毎回毎回そーいうつもりで触ってんじゃねぇだろ、俺。残業の疲れを癒すためにちょーっとイチャイチャしようってのを、どっちかっつーと毎回チィちゃんがその気になりだして―――」
「っ!だってしかたないじゃないですかーっ。零於さんにその気があろうとなかろうと、零於さんに触られればそんな気分になっちゃうんですから!」
どちらに非があるかはさて置き、現実問題ワタクシはそのうち倒れますヨ!
「わ、分かった…善処する。でもオマエも少しは努力しろよなっ。俺がちょっとやそっと撫で回しても動じない愚鈍な神経を養え。」
「何と言う無茶ぶり……。」