Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
美和はよく言えば、優しそうで、柔らかな雰囲気で、スマートに女の子を扱う。
栗毛のややくせっけの髪の毛。
瞳は明るめの茶色で・・・以下省略して、まとめれば、さわやかイケメンだ。
そして悪く言えば、女にだらしない。
なぜ群がる女子がそれに気付かないのか不思議だ。
そしてやっかいなことに、麗華と美和は双方がよければ、結婚することに両家で合意があることだ。
ありえない。
外見だけで、こんな女をとっかえひっかえの美和となんて。
いや。
あいつも来るのを拒まずで、全部喰ってたけど。
ふっと横顔が蘇る。
通った鼻筋に、皮肉っぽく笑う口元。
メガネの向こうの大きな切れ長な目。
見透かすように見つめてから、ふっと緩むように笑った顔。
麗華には、いつも夜桜を連想させる男だった。
あの日から1年たったのに、まだ鮮やか過ぎる。