Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
「やられた」
呟いて、怜士はすぐに外にいたボディーガードに、財布をすられたことを告げた。
ビジネスランチを終えて、レストランから車に乗るまでの短い間だ。
「財布をすられた」
会社に戻ると秘書のフレッドの顔を見るなり告げる。
「財布だけは取り返してくれ」
「わかりました」
金はどうでもいい。
どうせ足がつくから、金を取ったら財布類は捨てるだろう。
怜士の読み通り、1時間ほどで、もう一人の秘書ケビンが財布を手に入ってきた。
「ボス。
ゴミ箱から見つかりましたよ。
一応、綺麗にしました」
怜士はケビンの言い回しに笑ってから受け取った。