Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪

「そういえば美和は若い女の先生、たぶらかしていたよね」
「いや、さすがに初等部の時はしてない」
「えー、うっそだー」


二人とも微妙に話題をそらしていた。


麗華の家は旧華族で、表向きには解体された財閥を未だに持っている。


美和の家は着物問屋から始まり、今は巨大なアパレルメーカーだ。


「ああ、そういえば。
 今月の雑誌、よく撮れてたね」
「ありがと」
「そっちの道にすすめばいいのに。
 ミスキャンとって、アナウンサーになって、有名人とゴールイン」
「そうだね」


美和の悪ノリがわかって、平坦に答えると美和はおかしそうに笑った。


宮内の家にとって、それは邪道だ。
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