Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪

    *


パーティ会場の中は人込みで熱気に包まれている。


時間が経つにつれて、さらに上昇しているようだ。


皆、冷えたシャンパンでしのぐために、あちこちで酔っ払った姿を見かける。


怜士は自分のぬるくなったシャンパンを替えようかと、手元に視線を落とした時だった。


「うわっ」


その日本語と声音に条件反射のように顔を上げた。


自分を取り巻いているブロンドヘアの輪の向こうに、よろめいている姿を見つける。


裾を踏まれて、バランスを崩したのだ。


だが運動神経は衰えていないらしく、変なジャンプを2回ほど繰り返して体制を立て直した。


後ろを振り返って、何かを探している。


靴だと気が付いた怜士の動きは早かった。


取り巻いている女性たちを無造作に押しのけ、先に拾い上げる。


自分の顔を見て、麗華が目を見開いているのに、口の端で笑った。
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