シンデレラの落とし物
部屋の暗さに慣れてくると、枕のある壁側の、海が見える窓を挟んで、向こう側のベッドに寝ている秋が見えるようになった。窓から入る淡い月明かりのなかに、背中を向けて、一定の呼吸を繰り返して眠る秋の姿が浮かび上がる。
バールを出てから美雪は会話という会話を避けていた。
急に口数の減ったわたしに、秋くんは気を使って話しかけてくれてたの、気づいてた。それなのに、わたしはその優しさを踏みにじるように、冷たい態度で切り返した。
失礼な女だと思われたかもしれない。
でも、それでよかったのだ。
これ以上、深入りするのは危険だから。
窓から差し込む優しい月の光。ヴェネチアの海と潮の香り。波が奏でる寄せては返す音色に、切なさが込み上げてきて、声もなく泣いた。
これは過去との決別の旅立った。
幼稚園からの幼なじみで、付き合いの長かった大好きな人。2つ歳上のあなたの後をいつも追いかけていたのはわたし。怒ったところを見たことがないくらい優しくて、大事にしてくれた。
長い付き合いの末に結婚して、この先もずっと一緒にいると信じて疑わなかった。
バールを出てから美雪は会話という会話を避けていた。
急に口数の減ったわたしに、秋くんは気を使って話しかけてくれてたの、気づいてた。それなのに、わたしはその優しさを踏みにじるように、冷たい態度で切り返した。
失礼な女だと思われたかもしれない。
でも、それでよかったのだ。
これ以上、深入りするのは危険だから。
窓から差し込む優しい月の光。ヴェネチアの海と潮の香り。波が奏でる寄せては返す音色に、切なさが込み上げてきて、声もなく泣いた。
これは過去との決別の旅立った。
幼稚園からの幼なじみで、付き合いの長かった大好きな人。2つ歳上のあなたの後をいつも追いかけていたのはわたし。怒ったところを見たことがないくらい優しくて、大事にしてくれた。
長い付き合いの末に結婚して、この先もずっと一緒にいると信じて疑わなかった。